ラムディスクでスピード化
   シリーズ続編も次々と

 PC98でハードディスクが標準装備になるまでは、フロッピーの容量の少なさと読み込みの遅さが難点だった。フロッピーでは5,6枚組のものも出てきたし、読み込みはRAMディスク対応として、反応が早いメモリーのディスクにプログラムを読み込ませるゲームが増えてきた。またヒットしたゲームのリニューアルや新たなシリーズも出てきた。IOデータやメルコのメモリーボードを利用してフロッピーと完全互換のRAMディスクを作り、そこにデータやプログラムを転送させた。IOやメルコはメモリードライバーの更新を競っていた。
 

太平洋を空母戦に特化
 空母戦記は1989年にジェネラルサポートから発売された。ジェネラルサポートはGAMからデザイナーらが独立したソフトハウスで、このゲームは太平洋の嵐から空母戦のシステムを抜き出し、複雑にしてより実戦に即したものにした。もちろん飛行機は実機が1機単位、索敵機を飛ばして敵の艦隊をみつけ、雷撃、爆撃機に護衛を付けて発進させる。ただ太平洋の嵐と違ってゾーン方式で12の戦域を一つ一つ攻略していく方式だった。
 グラフィックは地図と艦、飛行機の外観だけだが、点での索敵はスリルがあった。
計略が加わった三国志
 光栄の三国志Uは、最初の三国志に計略が加わった。41カ国現在と同じ国数で、君主、太守、軍師というシステムも同じ。合戦の戦場はスクロールのない1画面だけのシンプルなものだった。一騎打ち、策略などほどほどに複雑で面白いものだった。
新システムの大戦略
 システムソフトの大戦略Vはマップが128×128に増え、ターン制からカウント制になり、リアルタイムの進行に近くなった。索敵の概念も取り入れられ、見方の視界に入っていない敵ユニットは見えない。1ヘックスに高さが異なれば4つまで一緒に入ることができるようになるなど、3次元の概念も入るなどシステムが大きく変わった。潜水艦、早期警戒機、レーダーサイトも加わった。戦いはリアルであるけど、ターン制のシンプルさは失われ、少し面倒になってきた。
 神となって味方を助け敵をくじく
 変わったところではイマジニアのポピュラスは、英国の人気ゲームを移植したもの。プレーヤーは神となって、自分の種族に加護をふるい、敵の種族を滅ぼすというもの。土地を造成したり平らにしたり、敵に対しては火山をつくったり洪水を起こしたり。リアルタイム制で忙しかった。

 甲子園へ弱小校が燃えた
 アートディンクからは高校野球のシミュレーション「栄冠は君に」が出た。プレーヤーは監督となり、練習し、練習試合を行って力をつけ、地方予選を勝ち抜き甲子園に出場して優勝を目指すというもの。このゲームは71回大会(1989?)の予選に出場した全国すべての高校があり、自分の母校を選べるのがよかった。弱かったはずの母校が勝ち抜いていくのはなかなかに快感だった。ともかく練習が勝ち抜くための秘訣で、守備、打撃、投球、筋トレ、足腰強化に休養も加えながら疲れさせないで技術とパワーをいかに上げていくかになかなか燃えた。なかなか面白いゲームであったことは間違いない。ただそれなりに完成度も高かったのか、その後のシリーズを買おうという気にはならず、高校野球ものはこの1本しか持っていない